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ブンガ・ブンガ・インドネシア(バリ島夢日記) 2006/11/22-11/28 zuenmeiさん

1.ホテルの朝食 ブブル・アヤム

2.ウブドの寺院内の石像

3.レギャン・ビーチにたむろする犬たち

4.ブーゲンビリアの花

5.ホテルの庭にある石像

6.レギャン・ビーチの夕焼け

7.レギャン・ビーチのサンセット

8.オベロイホテルでのディナー

9.オベロイでのダンス(ウサギの踊り)

10.オベロイホテルのダンス(レゴン)

バリ島 > インドネシア
バリに行くのは6回目、このところずっと個人手配で行っていたのだけど、今回はツアー参加。チョイスしたのはバリバリ強力で特典つきまくりの某大手旅行会社のツアー。いやあ、なんといっても大手ですわ。憧れの島内フリーシャトルバス「うぶど君」にも乗れます。

申し込んでから数ヶ月、仕事に忙殺されて旅に出ることを忘れそうになった頃、とうとう出発の日。

ひさびさのガルーダ機内。わりにシートピッチも広いのがポイント高し!普段読まないスポーツ紙のだじゃれ広告にも感動するくらい、私のテンションも上がっているようだ。

かくして無事に飛行機はテイクオフし、7時間の旅となった。しばらくして機内食が運ばれてきた。うなぎが美味しかった記憶があるのだが、とうとうウナギは出ずフツーの白身魚だった。かつて配られた赤道通過証も今はない。時代の移り変わりを感じて遠い目になってしまった。

飛行機はデンパサールに到着。
ロビーにはアロハシャツを着たアグース君が迎えに来てくれていた。

バリのリラックスできるところは、現地従業員でもほぼ完璧な日本語を操る人が多いことだ。海外に来た気分にならない部分もあるかもしれないが、「できれば最小限の英語」ですましたい私にはラッキーなことだ。

夕方6時を回っているというのにまだバリの太陽は高く、さんさんと陽がさしている。私たちをのせたバンはホテルに到着した。

ホテル・パドマ、ここ数年、新しいホテルが建設ラッシュのバリにおいて、昔から生き残っている老舗ホテルだ。日本人客が多いこと、ファミリー向けなことで数年前の私ではチョイスに入らなかったのだが(笑)今回はお得感に負けて選んでみた。

チェックインはフロントカウンターではなく「ガーデン・クラブラウンジ」というところでソファに座って行われた。
アーリーに申し込み、お部屋グレードアップの恩恵を受けることができた我々はチェックイン時のみならず、この「ガーデン・クラブラウンジ」を利用することができるのだった。

このラウンジでは、昼にはサンドイッチやフルーツ、日によっては巻きずしやにぎり寿司も食べられ、フレッシュ生ジュースもサービスされる。インターネットも使い放題だ。ラウンジというよりもリラックスした応接間という感じのくつろぎ空間。それに暇にまかせて日に何回訪れてもいやな顔ひとつされず、スタッフ各氏に名前や顔を覚えてもらえる確率が高まったようだ。皆、フレンドリーで笑顔が素晴らしい。

到着日のディナーはまったくどこで食べるか計画してなかったのだが、ラッキーなことにディナー・クーポンも一枚付くというので、それをいただくことにした。「インドネシア・リスタフェル」というそのコースは早い話がインドネシア版幕の内弁当。ナシゴレン(焼きめし)あり、テンぺ(揚げ納豆)あり、カドカド(サラダ)あり、サテ(焼き鳥)まで付いている。適度な辛さでインドネシアに来たことを実感。

時折風に乗って聞こえる竹ガムランの音が濃密でねっとりした空気に混じっていた。
だんだんと闇が濃くなっていく南国の夜だった。

次の日の朝がやってきた。
昨日の長時間フライトの疲れから8時頃まで寝てしまった。

すでに熱帯の太陽は高くさんさんと輝いている。朝食はルームサービスで外のバルコニーで食べることにした。アメリカンブレックファーストの他に「ブブル・アヤム」という鶏肉入りお粥をオーダーした。これが絶品!!中華粥と同じく粥の上にピーナツやら油條(揚げパンのようなもの)やら鶏肉の細切りやらいろいろとトッピングしてある。味付けもほんのりごま油の風味で大変私好み。その上粥のみならず、フレッシュジュースとパンまで付いてくるのだ。朝から大満足で思いっきり食べ過ぎる我ら。

朝食が終わるとさっさと身支度。今日はバリ島の内陸、ウブドというところまで行くのだ。ウブドは芸術の街、そしてしゃれたお籠もり系のコテージも多い。

ウブドまではもちろん、憧れのJTBのシャトルバス「うぶど君」に乗って行く。

アロハシャツを着た現地のお兄さんが流ちょうで巻き舌の日本語で挨拶する。「どこから来ましたか?バリは何回目ですか?ウブドのあとはどこへ行きますか?」たいていバリの人の質問事項は似通っている。

約1時間のドライブの後、ウブドに到着。しかしウブドは広いので、「うぶど君ミニ」というシャトルに乗り換えなくてはいけなかった。

待っている間にどこからともなく若者が近づいてきた。さきほどの質問とほぼ同じ質問をしたあと、「オプショナルツアーに行かないか?」と名刺を差し出した。ほんとうにバリの若者はすぐれた営業マンだ。

こんなに屈託のない笑顔で誘われては参加してみたくなるものだが、なにぶん4泊6日の日程。丁重にお断りをしたあと、「今日は仕事ないの?」と尋ねてみた。すると「あまりやらないんだ」という答え。ひっちゃきになって営業していないのがにくい。この欲のなさがかえって客を引きつけるのを彼は知っているのかどうかは定かではない。

想像するに彼は自給自足で食べるには困らず、夜はガムラン奏者として営業し、昼間の暇な時間にオプショナルツアーの営業をしているのだろう。いったいいつ寝て居るんだ?という感じもするがこの余裕。きっとバリの人は「人間力」があるのだろう。

ウブド王宮前に到着した。王宮内を見て回る。バリ・ヒンズーの割れ門が独特の雰囲気を醸し出していた。ここはいまでも王族が住んでいるが、夜は野外のステージでバリ・ダンスも行われ、鑑賞することもできる。

王宮の近くにバビ・グリン(豚の丸焼き)で有名な「イブ・オカ」という店があった。ここは超有名店で前から訪れたかったのだが、機会がなくやっと訪れることができた。

店内は混んでいたがすぐに座ることができた。横にはイタリア人カップルがイタリア語で、前にはインドネシア人とドイツ人のカップルがドイツ語でしゃべっている。イタリア人男性は現地度を高める為かフォークを使わず手で食べている。私もトライしようかと思ったがあののり気のないナシ(ごはん)を指でつかむのは至難の業だと知っているのでフォークを使うことにした。

数分待ってバビ・グリンが運ばれてきた。数口食べて、同行者は拒否反応。ご飯の上に野菜とぱりぱりした豚の皮いわゆる北京ダックの豚バージョンが載っている。見た目はすごいが混ぜて食べるとこれがうまい。私は見た目で拒否しないほうだし、スパイシーにも強い方なのでみごと完食。

他の人が食べるのを眺めながら、瓶ジュースにストローでアジアぽさを満喫していた。バビ・グリンと飲み物で20000ルピア。これで一人250円ほどだ。値段はチープだけどこれはぜったいにA級グルメだ。

イブ・オカを後にし、今度はウブド・マーケットに潜入。いわゆる現地の市場だ。土産物から食品から荒物からあらゆるものを売っている。

どの店でも同じような品物が売っているので、値段をききつつ、ざっと見て回ることにする。だいたい売り子の言う金額の半額くらいから値段交渉するといいと言われている。半額ではまず売り子は絶対にOKしないので、そこから電卓片手に交渉に入ることになるが、インドネシア語を混ぜると絶大な効果を発揮するのだ。

いろいろな言い方があるが「カシムラ(Kasih Murah)」が一番日本人には覚えやすいだろう。だって「柏村」と覚えればいいのだから(笑)。かつて「お笑い漫画道場」という番組で滅茶苦茶下手な犬の絵を描く江藤博利に突っ込みを入れていた「柏村 武昭」を思い出したのは私だけではなかった。(古?)

いろいろな店で値段交渉もほぼ成功し、だいたい言い値の6割くらいで品物をゲットする我ら。「定価を交渉で決める」という行為はもはやスポーツ感覚だった。単に「安く買いたい」というよりもそれはもうゲーム。バリで言い値の半値で買える技を身につけたなら、一流の証券会社にでも雇ってもらえそうな気がしてきた。

ゲットした大量の品物を手に提げてマーケットを後にする。外はもうぎらぎらの太陽が照りつけていた。暑い。。マネーゲームの緊張からか出すのを忘れていた汗がどっと噴き出す。しばし、ワルンで休憩してから帰路につくことにする。

帰りの「うぶど君」はちょうどいい時間の便がなかった。しぶしぶタクシーで帰ることにした。値段は交渉の末12万ルピア。かつて10万ルピアで同じくらいの距離を乗ったことがある私は少々不満だったが、この暑さの中、再び値段交渉をする体力は持ち合わせていない。やむなくこの値段で妥協する。

ホテルに帰るとしばし休憩して、、クラブラウンジに出かけることにした。ここではインターネットも出来るし(2台あるパソコンの1台が日本語対応)なんといってもいつでもフレッシュジュースが飲み放題。サンドイッチ、フルーツなども食べ放題。もちろん部屋代に含まれているので追加料金はナシだ。外国のレストランの料理の量が多すぎる我々にはちょうど良かった。それに日替わりで寿司も出るのだ。2日目ですでにインドネシア料理の味付けに食傷気味な私達の救世主であった。

3日目の朝がやってきた。

朝は6時に目が覚め、プールに行った。まだ陽が登り切っていないのでとても気持ちがいい。こんなに泳いだのは前にバリに来た時以来だ。

それから海岸を散歩することにした。砂浜はどこまでも長く続き、奥行きも広い。とても綺麗な砂浜だった。貝殻があるので拾おうとしたらなんと生きている貝がほとんどだった。手でつまもうとすると砂にもぐってしまうのだ。日本のように巻き貝はひとつもない。生態系からして日本とはまるで違うのだろうか?

いったい何百メートル歩いただろうか?引き返してホテルに戻ろうとしたら自称画家の物売りに出会った。それほど興味深い絵ではなかったが、なんといっても木彫りの額がすばらしく、値段も1000円程度だと言うので一枚購入。絵をかかえてホテルまで歩く。

ホテルにもどるともうお腹がぺこぺこだ。そういえば最近、こんなにお腹を空かして食事にありつくことってないな、と思う。今日はルーム・サービスではなくてカフェのバイキングに行くことに。

7時過ぎだというのにもうカフェはお客さんでいっぱいだ。皆、南国の朝を満喫するため早起きしているに違いない。

日本でもホテルの朝食は楽しみだが、海外、とくに南国では美味しいフルーツがふんだんにあるのでうれしくなってしまう。卵やハムもうまいがベーコンが素晴らしい。適度な塩味に加え、まっすぐに延びていてクリスピー具合がとても真似できない。聞くと電子レンジで調理しているようだった。

オムレツはその場で焼いてくれる方式で女性シェフだった。中身にインドネシアの塩漬け野菜のようなものを入れてくれる。。これも適度な塩味で美味。フレッシュジュースも種類が多く、やはりマンゴー、パパイヤ系ははずせない。そしてバリに来たらKopi Bali,珈琲の名産地トラジャが近いだけあって、バリの珈琲は濃くてうまい。ついついおかわりをしてしまった。

部屋に戻って簡単に身支度をすませ、フロントに向かう。8時半にエステの送迎が迎えに来てくれるのだ。

またもやバリバリに日本語を話せるお兄さんに連れられて、ネットで見つけたエステ「フランジパニ」に到着した。ここを選んだ理由は日本人の経営だそうで衛生関係がしっかりしているだろうと思ったことと、ネットの口コミで評価が高かったからだ。

バリのこてこて現地風というよりは洗練されたリゾートのスパ、という感じのエントランスを入るとまずアンケートに答えた。今回は「メディテーション」という5時間半のコースでアーユルベーダの施術もあるので問診をして自分がどの体質に当てはまるか確かめるのだ。そしてそれによりオイルの種類も決定する。

以前から私は「ヴァータ体質」だと思っていたがやはりそうだった。ヴァータ体質の特徴としてバランスが乱れると衝動買いが増え、肩こり、不眠、便秘、これはもう大当たりである。

まず二人用の小部屋に案内され、衣服を脱ぎ捨て紙パンツ一丁!に着替える。それも渋いことに黒パンツだ。施術のお姉様方が現れ、にこやかに挨拶をする。

まず、オイルマッサージから始まる。適度にツボを押さえつつ、オイルを手につけてのばすようにマッサージする。これが最高に気持ちがいい。指圧より効くのではないかと思うくらいだ。

約1時間くらいはマッサージしてくれたのだろうか、ようやく次に進む。こんどはあたためた石を凝っている患部においていく。遠赤外線効果?だろうかすでに揉みほぐされたところがやんわりとさらにほぐれていくのがわかる。普段パソコンの前に張り付いていて私の肩はすごいことになっていた。肩こりのみならず肩の前面に痛みまで感じていたのだが、施術後はうそのように治っている。やはりこれも生活習慣病のひとつで、適度な運動を心がけなければ、と誓った。

なにやら葉っぱのすりおろした状態のものを体に塗る。乾いてからスクラブだ。だんだん急に熱帯に飛び込んでほてった体が沈着してくるのがわかる。こんどはたたみかけるように今度はストーンを使ってのマッサージ。そしてフェイシャルだ。

そしていよいよ、本日のハイライト?!「シロダーラ」だ。これは頭をマッサージしたあと、「第三の眼」である額にごま油を一定時間垂らすものだ。眼はふさがれているので自分がどういう状況にあるのか確認できない。最初のうちは髪にオイルが染みてくるのがちょっとした不快感なのだが、そのうちだんだん脳神経が休まってくるのか?「あたま真っ白状態」になってくる。きっとこういうときは脳波を取ると「アルファー波」が出ているのではないかと思う。

髪に垂れたオイルをすくい、また上の容器に戻しているような音がする。時間にすると30分くらいは続いたのだろうか?ようやくシロダーラは終了した。シロダーラの間に室内にあるバスタブにお湯を張っていてくれた。そこにはミルク色おお湯の中に花びらが浮かべられていた。しばしのお風呂タイム。きれいにオイルを洗い流したら、すこし休憩タイムだ。併設のオープンエアのカフェでミネラルウォーターを飲む。外の日差しと裏腹に吹き抜けていく風が気持ちいい。すでに時間は昼を回っていた。

その後、下階のヘアサロンに移動し、こんどは「クリーム・バス」だ。「クリーム・バス」とは、近年東京でも有名になってきているが頭皮と首、肩にかけてクリームでマッサージをしてから、ヘアパックをしてスチームをかける施術だ。サロンによって施術のグレードに若干差はあるが、うまいところになると指の腹を使った頭皮のマッサージはそれは気持ちのいいものだ。

若干チカラ加減が弱めながらもお姉さんの指の腹が私の頭皮をリズミカルにすべる。先ほどのシロダーラ同様、脳神経が刺激されているようだ。ものすごい眠気に襲われる。頭皮のマッサージのあと、肩と腕のマッサージ。重い荷物で凝り固まった肩が徐々にほぐれていくのがわかる。そして昔懐かしい「おかま」を被り、しばし髪にスチーム。

クリームバスのクリームはジンセン(朝鮮人参)やアロエエキス配合を使うことが多いがジンセンをセレクトした。これがすごい効果で1週間経った今でもサラサラ状態をキープできる。ヘアドライをしてもらい、これで終わりかと思ったらサービスで足の爪お手入れをしてくれるという。生まれてこの方、足の爪を人に手入れしてもらうのは初めてだ。甘皮を除き、やすりで整え、かかとや小指の角質を削ってくれる。堅くなってどうしようもないと思っていたところがなんときれいにすべすべになっているのだ。サービスというかプロモーションというか、ものすごいお得感!!またぜったいにこのサロンに来たくなる感じなのだ。

すっかり健康で美を取り戻した気分になってまたカフェに戻ると、こんどは軽食のサービス。バリのトリは美味しいのでアヤム・ゴレンをオーダー。やはり身が締まっていてうまい。バリのフツーのトリが日本の名古屋コーチンなどの感じ。きっとブロイラーでないのだろう。

服を着替え、支払いをすませる。なんと円でも支払いができるという。帰りはホテル直行でなくて、免税店で下ろしてもらうことにする。ブランドものに興味はないが、なぜか寄りたくなってしまう免税店。近年、バリの焼き物ブランド「ジェンガラ・ケラミック」もはいっているようなので探してみた。ほっこりと分厚いジェンガラの陶器はやさしい色合いでとても可愛い。しかしなにぶん陶器ゆえもって帰るのが大変だ。そこで小さな蓮の花の形の皿とお花の形の箸置きを購入。これで当分はバリの余韻を味わえるはずだ。

エステで血行がよくなったせいか?頭がボーっとする。ホテルまでのタクシーの値段交渉をしなくてはならないのだが、どのくらいが適正価格なのか思いつかない。結局高いのか安いのかわからない値段でホテルに到着。荷物を部屋に置くなり、またクラブラウンジのお世話になる我々なのだった。

さて、バリ滞在も終盤となった。今日は夜にダンスのディナーショウを見にでかける以外は予定がない。それまでは、ホテルの庭を散歩したり、またクラブラウンジにお世話になったりしていた。

ホテルの庭を散歩して改めてバリ島の自然の美しさに心を洗われた。1年中こんなに綺麗な花が咲き乱れ、海岸は素晴らしく綺麗だ。ただ、直射日光がきつく雨も雨期には結構降ることから、野外に置いてある石像達も風化が早いという。豊かな自然の裏には厳しさも存在するのだな。

ふだんじっくりと庭を歩くことなどほとんど無いが、こうして庭を歩きながら自然とふれあっているとすごく豊かな気持ちになってくる。これが、人間の原点のようなものを感じる。

ゆっくり過ごしているのに時間は刻々と流れ、気付くと夕方であった。ちょっとばかりドレスアップしたものを身につけ、タクシーに乗り込む。

向かうのは「オベロイ」という、スミニャックにあるホテルだ。ここで毎週土曜日はレゴン・ダンスのディナー・ショウが開かれるのは事前にメールで確認しておいた。

ただ、リキが入るあまりものすごく早く来すぎてしまったことに気付く。ショウが始まるのは夜8時半、ディナーは1時間前の7時半だ。あと2時間、ホテルの庭で時間を潰すことにした。

おりしもサンセットの時間。サンセットが綺麗で有名なイタリアン・レストランもこのあたりにあるほど、ここは夕陽の名所なのだ。プールのデッキ・チェアに寝ころんでそれを眺めていた。陽が下に沈んでいくにつれて、だんだんとオレンジ色が濃くなっていく。バリに6回来ているがこんなにすばらしい夕陽を見たのは初めてだ。刻々と変わる空はまるでオレンジ色のグラデーション。海岸を歩いている人は黒いシルエットに見える。

とうとう太陽が水平線の下に沈んだときには、空は紺色に変わったあとは熱帯のねっとりした闇に包まれる。

ホテルの庭の灯籠にも明かりが点り始める。

プールの横にある野外シアターには、ガムラン担当の人たちが楽器を運び込んでいる。開演まであと1時間半。そろそろレストランのオーダーを取りに来る頃だろうか。

シアターを囲むように並べられたテーブルにはキャンドルの明かりが点っている。バリ装束のウェイター達も並び始めた。
次々とお客もテーブルに座りだした。ほとんどが欧米人。見るからに金持ち風の人たちだ。きっと宿泊客なのだろう。

しばしボーっとマン・ウォッチングをしていた私たちも我に返り、もう座ってもいいかと聞くと席に案内された。ほんとにシアターの正面の特等席。

シーフードのバイキングだと聞いていたが、アラカルトしか無いと聞く。まずHattenというバリの白ワインをグラスで頼む。グラスワインなのにテースティングがあり、びっくり!

パンも特にオーダーせずとも無条件で付いてくるようだ。かわいい籠に入ってくる。ホタテのグリル。サテ・アヤム(焼き鳥)。ピリ辛ピーナツソースのかかったカドカドサラダ。ロブスター入りサラダ。そしてナシゴレン。デザートにはジンジャー・クリームブリュレを頼む。これが美味!!!バリではジンジャーを頼むことが多いが、こんな風にデザートに使うのは新鮮だった。そしてバリ・コピを使ったこってり濃厚なアイス・コーヒー・フロートだ。

盛りは小ぶりながら雰囲気でお腹がいっぱいになった感じ。

うまいぐあいにちょうどディナーが終わった時間にダンスショーが開演だ。プログラムもちゃんとテーブルの上に置いてあるが、それによると5演目。最初はペンデットという歓迎の踊りだ。

生ガムランにあわせて、あでやかな装束の女性達が手に花びらが入ったお盆を持って踊る。くるくる回ったり二人組になったり、なかなかに官能的だ。この踊りは踊りを習い始めた人が最初に習うそうだ。

次はバリスという戦士の踊り。勇ましい踊りだ。一人で踊るので手の表情眼の表情が難しいだろうと思う。一度、偶然にとある夏の日の銀座のデパートの階段で、このバリスのパーフォーマンスを見たことがある。やるはずのない空間で、いきなりバリスに遭遇したのだから、それはもうショックだった。かなり上級者しか出来ないであろう踊り、バリス。

その次に登場したのはTari Kelinciというウサギの踊り。まだローティーンの女の子達が踊っている。ウサギの仕草を真似た振り付けで大変かわいらしい。バリの踊りには動物の仕草を振り付けに取り入れているものも多いがウサギは初めて見た。いたいけで、まだ学校に上がるか上がらないかくらいの女の子達がこんな夜に営業をしているのを見て、ちょっと複雑な思いがした。

レゴン・クラトン。
本日のハイライトとも言えるストーリーものになった踊りだ。王女と王子の恋物語、でも一筋縄ではいかない物語のようだ。インドネシアの国鳥にもなっているガルーダも登場する。

そして、トリを飾るのはまた一人踊り。Cendrawasihという踊りだ。
白髪の長髪に地味な装束なのでてっきり老人の踊りかと思ったがCendrawasihとは鷹のことだ。老人ではなくて鷹だったのだ。人間が鷹を演じる、これまた意味ありげ。自然と共存してきたバリの人ならでは演じることができるのだろう。

上演が終わった。
ガムラン隊は手際よく楽器の片づけを終わり、引き上げていった。食事が終わって満腹なせいもあったのだろうか?なんだかもぬけの殻のようだった。いまだ夢の中にいるのか現実なのか?しばし見境が付かない我々なのであった。